シューズクロークはシューズインクロークとも呼ばれるそうですが、和製英語です。
映画館や劇場の受付の後ろにある、預かったコートを掛ける部屋のことをクロークルームと呼ぶそうですが、一体シューズクロークっていつどこで生まれた言葉なんでしょうね。
シューズとつくことから靴の収納場所を想像する方もいらっしゃいますが、実際には靴を履いたまま出入り可能な収納スペースを意味し、様々な物を収納する場所として、活躍してくれます。
シューズクロークと呼ぶより、土間収納の方が、私のような田舎者にはピンときます。
靴を履いたまま出入りが可能なスペースですから、アウトドア用品、傘、ガーデニンググッズなど、屋外で使用し、泥や砂が付いたものは、家の中に入れずに収納できるので非常に便利ですよね。
ただ玄関というスペースに隣接させるため、玄関が雑然とした雰囲気になってしまうリスクも当然併せ持っている場所でもあります。
今回のWeb内覧会は、入居前、そして入居後のシューズクロークの様子をご紹介したいと思います。狭い土間収納ですが、使い方次第でとても貴重なスペースになってくれます。
シューズクローク、本当に必要ですか?
まず新築に当たって、シューズクロークが本当に必要になのか、よく考えてみることをおススメします。その理由はいくつかあります。
物置に比べて割高なシューズクローク
現在のi-smartの坪単価は60万円超(家の広さや地域によって坪単価は異なります)。
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つまり1帖のシューズクロークで約30万円、2帖(1坪)サイズになると約60万円。土間収納とは言え、他の居室をつくるのと同じ坪単価が必要になります。
いっぽう、こちらの2坪サイズの物置の値段は約12.5万円。
おおよそ1/5ほどの価格で、同じ広さの収納スペースが物置で確保できます。
これだけ高価な収納スペースをどのように使うのか、その用途について事前によく検討しておかないと、せっかく作ったシューズクロークが台無しになります。
シューズクロークの使い方の難しさを知った入居宅訪問
一条工務店ではありませんが、大和ハウスの入居宅訪問の際のことでした。
そのお宅には今の我が家と同じように玄関脇にシューズクロークがありました。入居宅訪問という事で、おそらく普段は閉めっぱなしにしているであろうシューズクロークの扉を開け、中まで見せてくださいました。
我が家よりわずかに広い1.5帖ほどのシューズクロークの壁面には、天井まで収納棚が設置されており、ありとあらゆるものが詰め込まれていました。扉の前には棚の高いところのものを取るのに使用している小さな脚立まで置かれていました。
それまで展示場のシューズクロークを見たことがありましたが、やはり収納と呼ばれるスペースは実生活の中ではこのように使われ、物で溢れかえる状態になってしまうのかと感じ、シューズクロークの設置自体を考えさせられる良い機会となりました。
玄関脇に存在するゆえ、収納する物やその方法について明確な目的を持って、使うことが大事なのだと知る良い機会になりました。
シューズクロークに収納したいもの
シューズクロークに収納する物、一時的に置くスペースがあると便利な物、子供の成長などで収納する物が変化した時などをリストアップしておくと、使い方、必要な広さなどイメージしやすいかもしれません。
一般的にシューズクロークに収納するものを思いつく限り書き出せば
靴、ジャンパーなどの上着、ガーデニング用品、傘、ベビーカー、子供のおもちゃ、ヘルメット、スリッパ、帽子、野菜や米などの食料品、ゴルフバック、等々様々です。
このうち我が家でシューズクロークに収納したかったものは
ジャンパー、コート、傘、帽子
「たったこれだけ?」と思われる方もいるかも知れません。はじめはあれこれ収納したいと考えていましたが、最終的にはこれだけになりました。
靴はシューズボックスに、ガーデニング用品は物置に、野菜は勝手口土間に、米は階段下の物入れにそれぞれ保管場所を分けることで、シューズクロークのサイズは1帖で十分と判断。
様々な物を収納するためのシューズクロークではなく、必要な物以外は別の場所に入れることにしました。
また収納スペースを空けておくことで、本来の収納場所に仕舞うまでの一時的な仮置き場としての役割も、シューズクロークに持たせたいと考えていました。
例えば、エコカラットの工事の際には届いた部材をこの場所に保管したこともありました。
詰め込みすぎに注意…結露の問題
シューズクロークの立ち上がり面には結露が発生する可能性があります。
さすけさんが記事内で指摘されていますが、シューズクロークに物を詰め込みすぎると、結果として空気の流れが悪くなり、立ち上がり面で物が接している際に、結露が発生するケースもあるようです。
いずれも対処療法になってしまいますが、対策として
- 床面、立ち上がり面に物を置くことを避ける
- シューズクローク内の風通しを良くしておく
などが挙げられます。
押し入れやウォークインクローゼットと同じ収納と考えると、失敗する可能性だってあります。
一帖のシューズクロークの様子
シューズクロークの間取り
玄関の間取りの関係上、シューズクロークはこの場所しか設置できませんでした。
玄関を入ると、すぐ左手にシューズクロークがあります。玄関から廊下に続く框は右側なので、シューズクロークの扉が空いていてもさほど気にはなりません。
お客さんは右の玄関框の方に体を向けますので、左のシューズクロークはあまり気にされないようです。
シューズクロークの設備
照明はダウンライト一個
電気図面は省略しますが、照明はダウンライト一個のみとなっています。窓があるので電気を点けるのは夜間使用する際だけです。
採光・換気用に便利な窓
シューズクロークには採光および換気用に窓(JK2030NL)を設置しました。
シューズクロークに窓を設置する場合、現在ではオプション扱いになっています。我が家が契約した2014年、シューズクロークの窓は標準設備でした。
シューズクロークの引戸はいつも開けっぱなしにしているので、南に面したこの窓を通じて玄関に光が入ります。
キャンペーンのナノイー発生器を玄関に設置しましたが、シューズクロークまではカバーできるのか分りませんでした。この窓を開ければ換気は可能、臭いが籠ることも回避できます。
この採光、換気に関しては大きなメリットを持つこの窓ですが、一方でシューズクロークの入り口正面から見て左の0.5帖の天棚から下の壁には荷物を置けなくなるデメリットもあります。
自在棚は設置不可
この一帖のシューズクローク、狭いがゆえに、効率的な収納が活用の鍵になりそうです。
シューズクローク内に棚を設置するのも一つの方法かもしれません。
我が家でも自在棚の施工も検討したことがありました。図面の赤、青部分が候補となります。
しかし結論からいうと、どちらも設置が難しいことから諦めました。その理由は
- 赤…引戸が干渉するため、自在棚の棚柱を付けることが不可能
- 青…6尺の幅の自在棚の設置には、中央に棚板を支えるための壁が必要
だったからです。
ただでさえ狭いスペースに壁を設置すれば通り抜けが大変に、さらに奥にしまった物の出し入れも困難になります。
実際に利用可能なスペース
展示所で見かけるシューズクロークの広さは、大抵2帖以上はあるかと思います。伊勢崎展示場のi-smartのシューズクロークは2帖ありました(下記リンク先に図面があります)。
我が家のような1帖のシューズクロークは、ハッキリ言ってかなり狭いです。
壁厚がありますので、利用可能な有効寸法は73cm×172cmほどになってしまうからです。
もし1帖のシューズクロークをお考えでしたら、この狭いスペースをどのように使うのかも、よく考えておく必要があります。
入居後のシューズクローク
いつも玄関回りには置いておきたい物は意外に多くあります。
その中で現在収納しているものは、天棚にクロスの予備、奥に傘立て、ジャンパー、カッパ、子供の帽子くらいなので、スペースにはまだゆとりがあります。
「シューズクロークは設置するが、入り口の引き戸を開けた状態で使用し、置く物を限定する」という先ほどの方針通りに使っています。
収納する物が少なければ、気にすることなく引き戸を空けっぱなしにできます。あまり広い玄関ではないので、引き戸を開けておくだけで圧迫感が多少和らげらるほかに、シューズクロークの窓で玄関が明るくなります。
入り口付近
ここには土間には室内で使うスリッパラックだけを置いています。旧宅で使っていたものをそのまま使い続けています。
旧宅では玄関ホールに置いていたスリッパですが、あまり広くないホールがますます狭くなるのでこの場所に落ち着きました。
シューズボックスへの収納も考えましたが、扉の開け閉めが面倒なので出しっぱなしです。
シューズクローク奥
傘立てはシューズクロークの奥に置いています。
ただしこの奥の部分、格好の空きスペースということで、何でも突っ込んでしまいかねませんので十分に気をつけておきたいものです。
土間部分
土間部分はフリーで物が置けるように空けておきます。近所から貰った野菜を一時的に保管したり、天気が悪い日には洗った靴をここで乾かしたり、様々な用途に使うことができ、重宝しています。
床に物を置いていなければ、空間はスッキリとした印象に、狭いシューズクロークでも多少広く感じられます。
天棚・パイプ
天棚についているパイプはコートやジャンパーを吊るすのにも重宝します。
最後に
見えない場所に置いた物は、いつしかその存在すら忘れてしまう経験は誰でもあります。
そんなことを防ぐためにも物は収納に仕舞うためにあるのではなく、使うためにあることを常に意識しておきたいものです。
収納を使わないときの物の定位置として捉え、いざ使いたい時には取り出しやすく、そして簡単にしまえることが重要になるのですが、実行するのはなかなか難しいものです。
シューズクロークは人目に触れることが多い場所ですから、なおさら気を付けておきたい場所になります。
玄関脇の土間収納は、使い方次第で、大活躍してくれる貴重なスペースになると思います。
コメント
閑古鳥さん、こんにちは♪
つんでれよっし~♪です。
(*^ー^)ノ♪
我が家は狭小住宅な為、階段下を土間収納
(自分も田舎者な為、土間の方がしっくりします)
にして自転車を入れていますが、
来られるお客様全てに大好評頂いております♪
(ノ´∀`*)
確かに物置きに比べて割高ではありますが、
物置きを置く予定だった玄関前の部分に
お花を植えたプランターを置けているので
我が家は大満足です♪
(*^ー^)ノ♪
つんでれよっし~♪さんこんばんは(^^)
直ぐ使う物、季節によって使用頻度の高いコートなどが玄関脇にあるのは非常に便利ですよね。
我が家には花粉症の家族もおりますので、ジャンパーなど家の中に入れたくない物を収納するスペースとしても活躍してくれます。
我が家も設置出来て大変満足しているシューズクロークになりました。