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太陽光発電全量買取と余剰買取の比較 どちらを選んだ方がお得なのかシミュレーションしてみました

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閑古鳥です。

年々低下する太陽光発電の買取価格ですが、10kW以上のパネルを搭載する場合であれば何も考えずに全量買取を選べばよかった時代はすでに終わりを迎えています。

これから太陽光発電の導入を検討する場合、電気料金をはじめとして、税金など様々な要素を織り込み慎重な計算が求められます。

今回は我が家の一年分の発電量、電気消費量のデータを元にシミュレーションを行い、現段階では全量買取と余剰買取のいずれを選択するのがいいのか考えていきたいと思います。

シミュレーションに使用したデータ

まず今回のシミュレーションに使った我が家のデータからご紹介しておきます。

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我が家の2015年12月1日から今年の2016年11月30日までの一年分の1時間単位、8784時間の発電量、電気消費量のデータを使用しています。

余剰買取選択時の売電額、電気料金については1時間単位で(発電量-電気消費量)の計算を行い、求めた数値を使用しています。厳密には1時間の間でも発電量、使用料は変動していることからシミュレーション結果には当然のことながら誤差が生じますので、予めご注意下さい。

余剰買取、全量買取の違い

まず全量買取、余剰買取についておさらいを。固定価格買取制度では10kW未満か、10kW以上かによって選べる買取方法に違いがあります。

余剰買取全量買取買取価格買取期間
10kW未満×33円又は31円10年
10kW以上24円+税20年

平成28年度の価格表をご覧いただければ分かりますが、10kW未満では余剰買取しか選択できないのに対して、10kW以上では余剰、全量買取のいずれも選択することが可能です。

また10kW未満の余剰買取では10年間の固定買取価格となっているのに対して、10kW以上では全量は勿論ですが、余剰買取の場合でも20年間の固定買取価格となります。

現在の単価で言えば10kW未満余剰買取が31円、10kW以上は余剰、全量買取のいずれでも価格は24円プラス消費税という事になります。

我が家のケースでは全量と余剰のどちらが得だったのか

我が家は全量買取、パネル搭載量20.09kW、電気料金は既に新規募集が停止している東京電力のオール電化向けプラン「電化上手」となっています。

この期間内での発電量24,621kWh、電気使用量7,997kWhでの比較になります。

太陽光発電の設備については

太陽電池モジュール(単結晶) 20.09kW

・屋根 15.17kW(@205W×74枚、Ver 22横タイプ1326×1018mm)

・ソーラーカーポート 4.92kW(@205W×24枚、Ver 22横タイプ994×1350mm)

屋根勾配…1.5寸(約8.5度、屋根搭載・カーポート共)

パネルの方位角…真南より2.45度東向き

パネル設置場所…群馬県前橋市

買取価格…全量買取32円(税込34.56円)

夢発電システム利用…金利1%、支払回数120回(10年)

参考 夢発電システム(一条工務店HP)

のようになっています。

全量買取の場合

全量売電額850,930円
電気料金176,470円

余剰買取の場合

余剰売電額750,199円
電気料金91,199円

全量・余剰の金額差

売電減少額100,731円
電気料金減少額85,271円
15,460円

これだけ見ると全量買取の方が年間15,460円ほど得になっています。

さらに雑所得の金額を試算してみます。太陽光発電の収入、雑所得について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

全量買取の場合

①収入

収入額は売電額そのままの金額になります。

収入額 850,930円

②必要経費

太陽光発電設備の減価償却費=取得金額(税込)×0.059=6,583,788×0.059=388,443円

工事負担金の減価償却費=15年(180回の均等償却)=511,677÷180×12=34,111円

夢発電の金利=年間62,222円

パワーコンディショナーの電気代=8,373円

経費合計 388,443円+34,111円+62,222円+8,373円=493,149円

③雑所得額(①-②)

雑所得額 357,781円

余剰買取の場合

①収入

買取電力は自家消費分を差し引いた金額となります。

収入額 750,199円

②必要経費

余剰売電の場合には経費算出に当たって、発電量から売電分と自家消費分を算出し、売電割合を求めて、経費を案分する必要があります。

売電割合=750,199円÷850,930円≒88.1%

経費合計=(減価償却費+金利)×88.1%=427,087円

③雑所得額(①-②)

雑所得額 323,112円

全量と余剰では全量買取の方が34,669円雑所得額が多くなりました。税額については他の所得と合算して計算する関係上、この雑所得単独の税額までは分かりません。

いずれにしても先ほど算出した15,460円よりさらに差が縮まることから、全量・余剰の選択による有利不利はなさそうです。

20年間の固定価格買取が終了した後の買取金額はまだ分かりませんが、価格が下落するのは間違いなさそうです。さらに電気代も原発廃炉に係る費用の転嫁で上昇するのではないでしょうか。その場合電気料金単価より安い単価で売電するより自家消費に回した方が確実にメリットが出そうです。

(追記)今後の調達価格についてはこちらの記事を参考にして下さい。

全量買取から余剰買取に変更するための工事が必要となる分、最初から余剰発電を選ぶメリットの方が大きかったかもしれません。

しかし私が打ち合わせを行っていた最中は10kW以上で余剰買取が出来ること自体情報がなかったことに加えて、当時のブログでは話題にすらなっていた記憶もありませんでしたので、私自身選択の余地はありませんでした。

現在の買取価格、電気料金体系でのシミュレーション(10kW以上の場合)

次に条件を変えてシミュレーションしてみます。

買取価格

現在の買取価格(平成28年度全量買取価格、税込25.92円)で、パネルの搭載量を10、15、20kWにした時の売電額での計算を行っています。

電気料金と電気使用量

電気料金は東京電力のオール電化向け料金プラン「スマートライフプラン」を使用しました。これに基本料金、燃料調整費、再生エネルギー発電賦課金の合計として月1,000円を電気料金に上乗せしての試算です。

先ほどの試算に使った電気使用量は、47坪家族6人でのデータになっているため、一般的な家庭の電気量を使って算出してみます。

使用するのは総務省統計局が発表していている家計調査の「都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり支出金額,購入数量及び平均価格」の2015年の電気代購入数量の数値を用いました。これによれば平均の購入量は約5023kWとなっています。

試算の結果

全量買取の場合の売電額と電気料金

10kW15kW20kW
全量売電額317,669円476,504円635,339円
電気料金128,159円128,159円128,159円

余剰買取の場合の売電額と電気料金

10kW15kW20kW
余剰売電額271,715円428,290円585,634円
電気料金83,456円81,347円79,984円

全量買取と余剰買取との差

10kW15kW20kW
売電減少額45,955円48,214円49,704円
電気料金削減額44,703円46,812円48,175円

買取単価(25.92円)とスマートライフプランの昼の電気料金単価(25.33円)がほとんど変わりません。つまり全量、余剰のどちらを選択しても金額的な損得はなく、20年後の買取価格が確実に下がることを考えれば、最初から自家消費の設備を持った余剰発電を選んだ方が良いかもしれません。

9.9kWの余剰買取と10kWの全量買取の比較

次にパネル10kW未満の余剰、10kW以上での全量買取のシミュレーションをしてみます。

試算条件

パネル搭載量を9.87kW(パネル210W×47枚)と10.08kW(パネル210W×48枚)で設置した場合の買取価格を比較してみます。

買取価格買取期間
9.87kW余剰買取31円10年
10.08kW全量買取25.92円(税込)20年

結果

10kW未満の余剰買取の場合10年経過後の固定買取期間終了後の価格は分かりません。そこで10年後の価格を変えて3パターンでシミュレーションを行いました。

電気料金についてはスマートライフプランの昼間の単価25.33円を使い、基本料金、燃料調整費、再生エネルギー発電賦課金の合計として月1,000円を電気料金に上乗せして試算しました。

①10年後の余剰買取単価が20円になった場合

9.87kW10.08kW
1~10年売電額3,201,165円3,202,106円
電気料金削減額446,337円
11~20年売電額2,065,268円3,202,106円
電気料金446,337円
合計6,159,108円6,404,213円

1~10年目までは売電単価の違いから、電気量削減分44万円分余剰買取の方が得になります。

10年経過後は余剰買取の単価下落により売電額は全量買取に分があります。

1~20年目までを通算するとその差は約25万円となり、パネル1枚分の差、すなわちシステム単価27万円を考慮すれば収入はほぼ同じということになります。

②10年後の余剰買取単価が15円になった場合

9.87kW10.08kW
1~10年売電額3,201,165円3,202,106円
電気料金削減額446,337円
11~20年売電額1,548,951円3,202,106円
電気料金446,337円
合計5,642,791円6,404,213円

1~10年目までは先ほどの①のケースと同じです。

11年目以降は流石に買取価格15円で試算すると全量買取に分があります。システム単価を考慮しても、その差は約49万円となります。

雑所得については1~17年目までは全量、余剰買取共に減価償却費を控除すると20万円未満となり確定申告の必要はなさそうです(サラリーマンで他に所得がない場合、なお住民税の申告義務は発生します)。18~20年目までは全量買取の場合、パネルの減価償却が終了しますので、確定申告が必要になると思われますが、さきほどの49万円を埋める額には届きません。

問題になるのは全量買取の場合20年終了後の余剰買取選択のための配線工事費がどの位になるかによって、どちらが得になるか判断に迷うところです。

③10年後の余剰買取単価が10円になった場合

9.87kW10.08kW
1~10年売電額3,201,165円3,202,106円
電気料金削減額446,337円
11~20年売電額1,032,634円3,202,106円
電気料金446,337円
合計5,126,474円6,404,213円

こちらは全期間で差が100万円ほどになりました。

全量買取、余剰買取の判断には当然のことながら将来の買取価格が大きな判断要素になりますので、この買取単価をいくらに見積もるかによって結果に大きな差が生じます。

ここでは触れませんでしたが、電気料金の単価も結果には影響を与えます。仮に電気料金単価が倍になったとして試算すると、余剰買取選択時の電気料金削減額は10年間で約100万円にも上り、仮に10年後の買取価格が10円になったとしても全量との損得差はほとんどなくなってしまいます。

一条工務店というか日本産業への要望

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一条工務店の太陽光発電をしており、かつネットに接続がされている場合には、各家庭の発電量および電気消費量のデータが日本産業へ送られています。

自分の家の発電量・電気消費量のデータはサイトへアクセスすればデータをCSVファイルでメールアドレスに送ってくれるサービスもあります。

これだけのデータを蓄積しているわけですから、全国各地のデータを検索できるようになれば自分でデータを加工して検討することも可能になると思うのです。

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太陽光発電の検討を行うにあたっては一条工務店が夢発電のシミュレーション結果を出してくれるのですがこれだけでは検討に当たってのデータは不足かと思います。

特に買取価格が低下した現在では、太陽光発電の損益を計算する場合には、様々な条件を加味した上で検討していかないと本当に儲かるのか、あるいは全量余剰のどちらを選択した方が良いのかなど判断に迷うところです。

以前のように大容量・全量買取を単純に勧めれば良い時代とはだいぶ変わってきている気がします。判断材料は多いに越したことはありませんので。

最後に

我が家は20年間の全量買取を選んでいます。あと19年後には固定買取期間が終了するため、引き続き発電が可能なようでしたら、そのまま売電を続けるのか、余剰発電への変更工事を行い自家消費に回すのか、はたまた蓄電池を導入し発電した電気を自家消費に回すのか迷わなければいけません。

現在の年間発電量が毎年1%低下したとしても20年後は20,000kWhほどの発電量が見込めます(発電が引き続き可能であれば)。仮に買取単価が10円になった場合でも年間20万円ほどの収入にはなります。色々考えるのが面倒であればそのまま電気を売り続けるという選択肢もあるのかもしれません。

なお今回のシミュレーション結果は私の試算に基づいたものとなっています。この結果を用いることにより被った損害・損失に対しては、一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

2 Comments

プリン

オプション一覧表早速ありがとうございました。
閑古鳥さん頭良すぎです。シュミレーションして計算して・・・・。その結果をうちの太陽光発電の参考にさせていただきます。
いつも閑古鳥さんのブログで勉強させていただいています。
これからもよろしくお願い致します。

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閑古鳥

プリンさんこんばんは(^^)
一覧表ダウンロードのご報告ありがとうございます。お役に立てるといいのですが。
シミュレーションは頭が良いわけではなく暇なだけなのかもしれません(^^;発電量は私の自宅のある前橋のものですから、プリンさんのお住いの地域と勘案してみてください。
拙いブログですが少しでも参考になることがあれば幸いです。
わざわざコメント頂きありがとうございました。

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