今振り返ると子供部屋の間取りを決めるのは、非常に難しかったです。
「部屋の位置・配置」、「レイアウト」など、これと言って正解はなく、さらに限られたスペースの中で、成長段階に合わせた部屋作りを考えなければいけませんので、他の部屋に比べて検討するポイントも多くなると思います。
それでも我が家の場合、娘2人の同性なので、比較的楽な方だったかもしれません。
一つとして同じ生活スタイルが無いように、子供部屋に対する考え方は実に様々だと思うのです。
子供部屋の内覧会では、その過程と実際に入居してからの様子をご覧いただき、「こういうケースもある」ということをこれから検討する方の参考にしていただければと思います。
子供部屋の設備
子供部屋の間取り、電気関係
図面上が北です(以降の図面はすべて西が上)。我が家の子供部屋は二階の西側、家の南西と北西側に位置しています。
もっともよく見かける6帖タイプの子供部屋を2つ隣り合わせに設置し、両部屋の中央を引き戸で仕切るようにしました。
それぞれ6帖のスペースがあるのですが、クローゼットと入り口付近の1マスは通路になっており、部屋として利用できるスペースは実質4.5帖です。
照明は両部屋ともLEDキャンペーンのシーリングライトのみ、コンセント各部屋2個だけで、LAN、TV配線は設置していません。
コンセントは各部屋2か所、エアコンはそれぞれの部屋に後から設置可能なように、エアコンダクトのみを設置しています。
コンセントは後でレイアウトの変更をしても大丈夫な位置を事前によく確認しておきましょう。
またエアコン一台で全館冷房が可能な場合でも、エアコンダクトの設置は検討しておくべきだと思います。全館冷房をするには部屋の扉を置けっぱなしにすることが必要、子供が大きくなった際にそれができなくなる可能性が高いことも事前に考慮しておくことが必要ですよ。
子供部屋の位置
二階のセカンドリビングの西に子供部屋の入り口のドアが2枚並んでいます。
ドアの左にはセカンドキッチン、右はセカンド洗面台とトイレの入り口があります。
我が家の子供部屋へのアクセスは
玄関→ボックス階段→二階廊下→セカンドリビング→子供部屋
となっています。
セカンドリビングに誰もいなければ、親とまったく顔を合わさなくても自分の部屋に行くことが可能。
リビング階段を設置するメリットとして、これを回避できるとするケースも見かけますが、容易に優劣を付けられるものではないかと私は考えています。
私自身も同じような間取りで育っていますので、間取り設置にあたっては、特に抵抗はありませんでした。
収納(クローゼット)
クローゼットも様々ななバリエーションがあるので悩むところです。この大きさ(幅6尺(約180㎝)、奥行2尺(約60㎝))で選べるクローゼットは5種類あります。
参考 一条工務店i-smartで採用できるクローゼット(クリックで大きい画像が開きます)
どれを選ぶか大変迷いました。
両方の部屋ともに、引出し、棚、パイプが付いたQC-60Fを設置しました。この引出は防虫効果のある桐製なのでタンスの代わりにもなります。
可変性を高める引き戸の間仕切り
子供が小さいうちはこの二部屋を一部屋として広く使える様に、中央は引戸で間仕切りするだけにしました。2×6のリフォームしずらいi-smartですが、部屋のレイアウトや利用目的をフレキシブルに変更できる点で、この間仕切りは優れています。
引き戸のメリットは後からでも壁を設置することができること。それに掛かる工事費用はおよそ10万円と聞いています。ただ子供が巣立った後の部屋の使い道を考えると、安易な壁の設置も躊躇してしまいます。
デメリットとしては使える壁の不足と音漏れです。
部屋の壁のうち2面が窓、1面はクローゼットとドア、そしてもう1面がこの引き戸となっています。壁を使って何か飾ったり、収納を設けたりするのには壁の量が圧倒的に不足します。
入居当初の子供部屋のレイアウト
入居後の子供部屋のレイアウトを含めた使い方は、打ち合わせ時に考えていた通りにしました。
子供二人がまだ小さく二人とも女の子ということもありしばらくは中央の引き戸を開けっぱなしにしたまま一つの部屋として使用。
北側の子供部屋を寝室、そして南側の部屋を勉強および遊ぶためのスペースとして使っていました。
ベッド
二つ並べて壁際に置きました。
北側の窓は腰窓で、床からの高さは78センチありますが、ベッドを置くと、子供でも簡単に手が届く高さです。年齢にもよりますが、落下防止の対策も併せて考えておかなければいけませんよね。我が家はそこまで考えず安易に引き違い戸を選択してしまいました。
学習机
南の一室は西向きに学習机を置きました。
机のサイズは96×77㎝、一般的な学習机のサイズかと思います。
机の後ろのスペースはおよそ2mありますので、椅子を引いておけば子供二人が遊ぶには十分でした。
バルコニーも奥行き1.5マス(約135㎝)ありますので、カーテンを開けているとより広く感じられます。
子供部屋のレイアウトはどうする?
レイアウトのバリエーション
子供たちは生まれてこの方、賃貸のアパートの同じ部屋に家族4人で寝ていたので、入居当初は自分の部屋で1人で寝るのは入居当初はまだ抵抗があったようです。
しかし入居後から一年ほどが経ち、新居にも慣れえてきたところで部屋を分けることにしました。
レイアウトを変更するにあたって、子供部屋の設計当初に考えていたバリエーションは4つほどありました。
設計時の図面には、ベッドと机の位置が点線で書かれています。この形の部屋ではこのパターンが一般的なレイアウトなのかもしれませんね。
右側(北側)の窓は腰窓なので、ベッドを置いても問題ないかと思いますが、左側(南側)の窓はバルコニーへの出入りに使う引違いの窓になりますから、ここにベッドを置くとアクセスが悪くなります。
また掃出し窓のレールの汚れを掃除する際にもベッドが邪魔になります。i-smartのレール部分の色は白なので、特に汚れが非常に目立ちます。
ベッドと机を逆にしてみました。机は西向きではなく、それぞれ南、北向きでも良いかもしれません。
部屋の入り口付近が少し狭くなりますが、左側の部屋はバルコニーに出る引違い窓の前にスペースが出来るので、使い勝手は良さそうです。右側の部屋はパターン①のレイアウトと甲乙つけがたい気がします。
ちょっと荒唐無稽な気がしますが、ベッドを西側の壁に置いてみました。このレイアウトではベッドの位置は問題ないのですが、机の行き場が無くなります。
特に左側の部屋は南のバルコニーの掃出し窓が邪魔して、机は部屋に入ってすぐの位置に置くしか方法がありませんので、これはさすがに無理があります。右の部屋は腰窓なのでこの配置も可能なのですが、個人的には机の位置に安定感がなく中途半端な気がします。
こちらが実際に採用したレイアウトです。パターン①と机の向きが違うだけです。
こうして比較してみると、クローゼットの扉があり、その前のスペースは何も置けなくなってしまいます。実際に利用できるスペースは4.5帖ではなく、さらに狭くなることが分かります。
間取が先かレイアウトが先か
部屋に置く一番大きな家具をどこに配置するかで、部屋のレイアウトはおおよそ決まってしまいます。
子供部屋の場合、一番大きい家具はベッドになるケースが多く、次に大きいのが学習机、この配置をどうするかによって間取りを決めるのが理想ではないかと思います。家具の配置によっては窓の種類・位置が左右されることもありますから。
しかしながら限られた床面積の中、他の部屋との兼ね合いもありますから家具の配置により間取りを決めていくのはなかなか難しいことです。また将来家具を買い替えることで、設計時に考えていた配置に変化がある可能性もあります。
したがって現実的には部屋の大きさや形状に合わせた家具を揃えていく中でレイアウトも併せて考えていくのが一番無難な方法なのかもしれません。
レイアウト変更後の子供部屋
手前が次女、奥が長女の部屋です。
ベッドを両サイドに配置したことから、無駄なスペースが少なくなり、引き戸を開けておくと、初めのレイアウトよりも広く感じられます。
反対側の長女の部屋から次女の部屋を見たところ。次女の部屋は家の北西方向になるため、中央の引き戸で仕切ってしまうと昼間でも暗い気がします。
中央の引き戸を締め切ったところ、一方の南西の長女の部屋はかなり明るいです。
懸念していた間仕切りによる圧迫感は思ったほどありませんでした。
部屋の入り口方向。ドアの向こうはセカンドリビングになっています。
問題になるのはこの部分。バルコニーへ通じる掃き出し窓が、ベッドを置いたことで使い勝手がかなり悪くなっています。
ベッドによって右の窓付近では空気の流れが悪くなり、結露が酷くならないか若干心配なところです。気づいたらカビが生えていた、とならないように気を付けなくてはいけませんね。
最後に
我が家の子供部屋の様子をご紹介してきましたが、理想の子供部屋の形はそれぞれのご家庭のライフスタイルや家庭環境、子供の成長過程によっても様々に変化します。
他のハウスメーカーの中には「子供が賢く育つ家」と称してPRするケースもありますが、必ずしもそれが、それぞれの家庭にとっての最適解とは限りません。
大事なのはどのような親子関係を構築するのか、それにはどんな部屋が子供にとって一番なのかを考えておくことだと思います。
家づくりはこれらを考えるいい機会になると思います。
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