閑古鳥です。

二世帯住宅といっても我が家のような共有二世帯住宅の場合、キッチンや風呂などの水廻りをはじめとして殆どのスペースを共有して生活することになります。

普通の単世帯の住宅と比べても親世帯の寝室を設けることぐらいしか大きな違いはありません。二階にセカンドリビングをつくり、そこに子世帯用のセカンドキッチンとセカンド洗面台を設けたのが唯一二世帯住宅らしい設備と言えるかもしれません。

この共有二世帯住宅の場合、他の二世帯住宅と比べれば建築費がかからないメリットもあります。しかし両世帯の距離が近すぎることから、設計段階から様々なことを考慮しておかないと生活が破綻することにもなりかねない怖い一面も持ち合わせています。

共有二世帯住宅の間取りを考えるに当たり、一番気になっていた「音」の問題を取り上げておきたいと思います。

生活で発生する音の問題

我が家の一階の間取り図を専有部分ごとに色分けしてみました。

青が親世帯の占有部分、緑が共用スペース、黄色の階段部分は子世帯のスペースになっています。親世帯の専有部分は寝室とそれに接するWIC(ウォークインクローゼット)のみ、約11帖となっています。

間取りの検討に当たってもっとも重要視したのは「音の問題」でした。高気密住宅では外からの音に対する遮音性は極めて高いのですが、一方で家の内部の音は良く響きます。

二世帯住宅では、活動する間帯が世帯間で異なるケースが多く、それぞれの生活時間で発生する音が気になるというケースが少なくありません。完全二世帯住宅と異なり、生活空間が同じとなるために世帯間の距離感をどのようにして保つかをよく考えておく必要があります。

音に関して一番気を使ったのは一階の親世帯の主寝室でした。

住宅性能での対応

音の問題に対して、我が家では特に設備面からの対応はしませんでした。

一階と二階の間にグラスウールを入れることによる遮音性のアップも検討しましたが、足音などの低音域の音では吸音の効果がそれほど期待できない事から採用を見送りました。

また界壁の遮音性も特に高めていません。音の軽減に関してのオプションは採用せずすべて標準の施工を行っています。

間取りの工夫による対応

住宅性能を高める遮音はその効果が未知数だったことに加えて、予算面もなかなか厳しかったので代替策として間取りでカバーできる工夫を試みました。

隣接する部屋を使って遮音

親世帯の寝室はダイニングとキッチンに隣接していること、さらにリビングともさほどの距離がないことから、間取りで音を低減させるように工夫しました。

夜でもリビングを気兼ねなく使えるように設けたのが赤で塗ったエリアになります。

親世帯が就寝した後はリビングからの音を軽減するために、このエリアに通じる廊下とリビングを建具で閉め切ってしまうようにしたのです。そうすることで寝室からリビングの間に独立した空間を作ることが可能になります。

廊下に通じる①の開き戸とリビングに面した②のスリッドスライダーが活躍してくれます。

冒頭の写真は我が家のリビングから見たダイニングの風景です。

ご覧のようにスリッドスライダーは戸の引き込みとして左右2マスが必要になることから、両開きを採用するためには合計4マスの幅が必要になります。

スリッドスライダーを設置しなければ左側のスリッドスライダーを引き込んでいる壁は構造上必要かもしれませんが、右側の壁は不必要であり、リビングとダイニングの合わせて14帖の広さを持った空間として利用が可能でした。しかしこの遮音にも利用したかったことで採用を決めました。

二階のゾーニング

一番厄介だったのは二階のゾーニングです。

一階の間取り図上に二階の主な部屋を書き込んでみました。

一階の寝室の上にどの部屋を配置すれば良いのか迷いに迷いました。子供部屋を寝室の上に配置するのは禁じ手と書かれているサイトもありましたが、主寝室やセカンドリビングと比較するとまだ影響は少なさそうです。

寝室は、できるだけお互いの気配がしないように配置をするのがベストですが、我が家の両親も御多分に漏れず孫の出す音、気配には極めて寛容です。

「昨夜は遅くまでドタバタと元気だったね(^^)」

という感じです。ただ5年後、10年後まで考えると将来の様々な変化に対応できる間取りかといえば、不安がないと言えば嘘になります。

失敗箇所

間取りでも「音」に関して失敗した箇所があります。水廻りを集中させた一階の北側のエリアです。

二世帯かつ子供が娘2人という事もあり、洗面と脱衣所を分けることにしました。ここまでは何ら問題がなかったのですが、失敗したと思うのはトイレと洗面の動線が一緒だったことです。

二階にもセカンド洗面台を設置したものの、朝の時間帯はどうしても一階の洗面所が混雑します。誰かが洗面所を利用している際に、トイレを使うのがちょっと憚れる時が間々あります。

トイレのドアも下の部分が空いているので微妙に音が洩れるんですよね。

最後に 間取りを考える以前に一番重要なことを

共有二世帯住宅では間取りのプランニングが成功への大きな鍵を握ります。大きな鍵を握ると言ってもそれが一番重要ではありません。その前に一番大切なことがあります。

それは世帯間の違いについてお互いがよく理解しておくことかと思います。

単なる生活パターンの違いだけではなく、家事全般から価値観の違いまで事前によく話し合った上で間取りのプランニングを行うことが大切です。我が家がそうでしたが、結構シビアな話し合いになりますのでそれなりの覚悟が必要ですし、世帯間である程度の妥協も必要になります。

これを怠ると間取りはおろか計画自体進めることが出来ません。

この段階でクリアできないことがある場合には、特に共有二世帯住宅にするのは諦めた方が良いと思います。一緒に暮らし始めてから「こんなはずではなかった」となる可能性が高いと思われるからです。

コメントを残す

*

二世帯住宅, 間取りの関連記事
  • 二世帯住宅で下がった天井と減った収納?
  • 【Web内覧会・第3回】廊下って本当に必要?廊下のある我が家のメリット・デメリット
  • 共有二世帯住宅で遮音性を高めるために間取りで工夫したこと

Twitterでフォローしよう