上棟前の土台工事 覗き見した全周換気スペーサー、その利点、材質、耐久性について知っていましたか?

基礎工事
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監督さんから18日より上棟に向けての工事が始まりますと連絡を受けていましたので、お昼前に現場に行ったところ当日の作業は終了していました。

その上既にシートで養生されており土台を見ることは出来ませんでした。40kmも車を走らせて、このシートだけ見に来たのでは悲し過ぎます。

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土台外周部を覗き見

養生のシートはしっかりと留められていましたが、一部シートから土台が見えるところがありましたので覗いてみました。

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基礎天端に換気スペーサーが敷きこまれており、その上に土台の米栂が乗せられていました。確かこの土台の米栂は防蟻剤のACQが加圧注入されたものが使われているはずです。

前の晩に見た時は換気スペーサーが敷かれていた状態だったので、半日足らずでここまで工事が進むと思っておりませんでした。

使われていた換気スペーサー

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辺りを物色すると全周換気スペーサー(気密用)KPK-102IJ全周換気スペーサー(気密用)KPK-120IJと型番と書かれた箱がありました。

調べてみると城東テクノ株式会社という会社が販売している商品のようでした。これは玄関や勝手口の土間用に使われるパッキンのようです。

全周換気スペーサー(気密用)KPK-102IJ、全周換気スペーサー(気密用)KPK-120IJ

(出典:城東テクノ株式会社

型番末尾のIJは一条工務店向けに製造されている製品につけられているのでしょうか。

従来の床下換気口と換気スペーサーの比較

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ちょっと分りにくい写真で申し訳ありません。これは2月に解体した築43年の実家の写真です。赤丸を付けた所が床下換気口です。昔の建物はこの様な換気口を基礎に欠き込みして床下の換気を行っていました。この換気口の欠点としては

  1. 基礎に床下換気口の開口部を設ける事で基礎の耐久力が低下し、地盤沈下や地震によって基礎にひびが入る原因となりやすい。
  2. 基礎天端と土台が直接接しているため土台が腐る原因となる。
  3. 床下換気口を沢山設置すれば床下の換気効率は増すものの、設置できる数は耐久性の問題から限られてきます。このため建物のコーナーなどにはどうしても湿気がこもりやすくなりがちになります。

この欠点を補ってくれるのが全周用換気スペーサーというわけです。これは基礎と土台の間にスペーサーを敷き込むことから

自然の気流を利用した全周換気で床下全体を乾燥させる当社独自の工法です。
基礎と土台を絶縁することで湿気が土台に上がることを防ぎ、腐朽菌やシロアリの被害を未然に防ぎます。

(出典:城東テクノ株式会社HP

という利点があるそうです。

換気スペーサーの材質

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現場には未使用のスペーサーの現物がありました。触った感じは樹脂製のような感触と重量感があり、両端を持って力を掛けると多少曲がりました。ここで疑問が。こんなもので土台や建物の荷重を支えられるのか?という事でした。設置されたスペーサーを近くから見ると

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こんな感じです。潰れたり変形したりしないのでしょうか。

換気スペーサーの原材料

製造元の城東テクノ株式会社のHPによれば、この換気スペーサーの原材料はJoto複合材というもののようです。

この製品の原材料は主成分の石粉と呼ばれる「炭酸カルシウム(鍾乳石の成分と同類の物)と合成樹脂「ポリオレフィン樹脂」となっています。したがって樹脂製のパッキンではなく、人造石の範疇に入れられる材料のようです。

換気スペーサーの耐久性・寿命は?

こちらに詳しく載っています。

参考(PDF) 複合素材の将来(寿命)予測について

結論としては1枚当たりの基礎スペーサーが受ける荷重はおおよそ2.45KN=250 ㎏程度

これに対して先ほど紹介した複合材の素材強度は最低2.65KN=270㎏/㎠

一枚当たりに換算すると同社のKP-A10でおおよそ93.1KNhに耐えられるだけの強度があるようなので安心できそうです。

さらにこの中には同社のキソパッキンの寿命予想についての記述もあります。それによれば

Joto キソパッキング工法の耐荷重性能として、キソパッキンそのものが施工後、30 年・60 年といった時間を経過した時点での歪みを起こす程度は、最大荷重を441N=45 ㎏/c㎡*)とした使用条件でも049mm 以下であり、殆んど変化(疲労劣化)しないと予測されています。(中略)とりわけ荷重疲労に対するJoto キソパッキンの歪み特性の安定度は、人造石ともいわれる圧縮荷重に対する強さであり、実際に受ける建物の荷重からすればオーバースペックともいえる強度性能が、荷重疲労に対する安全性を支えていると言えます。

同社の説明によれば変形などの心配はないそうです。

 最後に…床下の換気をスムーズに保つためのメンテナンス

同社のHPを見ていくとシロアリを寄せ付けないための基礎周りの注意事項やメンテナンスについての記述がありましたので、最後にご紹介しておきます。

  1. 基礎まわりに障害物を置くときは、 水切りの換気スリットを塞がない事。
  2. 建物の基礎まわりに花壇を作ったり、盛り土をしない事。
  3. ウッドデッキはぴったりくっつけて施工しない事。
  4. ゴミなどが水切りの換気スリットを塞ぐことがあるので、定期的な掃きそうじが必要。

上棟までちょうど一週間となりました。週間天気予報によれば今の所晴れの予想です。初日は見に行けそうなので今から楽しみです。

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