住宅ローンを借りることが出来る民間の金融機関は数多くありますが、分類すると次のような形態に分けることが出来ます。
- 銀行などの金融機関(大手銀行、信託銀行、地方銀行、信金、信組、労金、JA)
- ネット銀行
- 保険会社
- モーゲージバンク
- ノンバンク
このうちネット銀行は支店やローンセンターなどの窓口を持たずに、住宅ローンの申込みはネットから、書類のやりとりは郵送などでおこなう金融機関のことです。
ネット銀行は
- ネットに適応したシステム導入によって幅広い顧客を効率的に集客できること
- 店舗網を持たないことから、金利に含まれている事業運営に掛かるコストを低く抑えることが可能
などから、金利水準の低い住宅ローンの提供を行っているのが大きな特徴です。
楽天銀行やソニー銀行など見聞きする機会が多いかと思いますが、今回ご紹介するじぶん銀行もネット銀行の一つです。
じぶん銀行は三菱UFJ銀行とKDDIがそれぞれ50%出資し2008年に営業を始めたネット銀行の一つです。親会社が三菱UFJ銀行とKDDIということで、じぶん銀行をこれまで知らなかった場合でも安心して取引ができるのではないでしょうか。
このじぶん銀行、ネット銀行の中でもよりネットに特化した特徴を持っている銀行となっています。詳しく見てみましょう。
このページの目次
最大の特徴はすべてネットで

審査から契約までネットで完結
最大の特徴、それは「書類のやりとりから契約まで、すべてネット上で完結する」ことです。
審査ではローンの申込書類への記入や捺印の必要がなく、フォームへの入力だけですべてが済んでしまいます。さらに捺印不要なので、印鑑証明書の添付も必要もありません(全く必要ないのではなく、抵当権設定時には必要となります)。
また運転免許書などの本人確認書類、売買契約書や工事請負契約書など、コピーをする必要がありません。写真撮影やスキャナーで書類を取り込んで、ファイルをアップロードするだけで完了します。
このように仮審査、本審査時の手続きが極めてシンプル化されているのが最大の特徴です。
私のような地方在住のものにとっては、このようなネットから申し込めること自体大きなメリットとなります。安い金利の金融機関であっても、店舗のみの申込しかできない場合には二の足を踏んでしまいます。
申込から契約まで最短10日間

このネットですべて完結できるシステムの採用により、申込から契約まで最短で10日間で手続きが完了してしまいます。
仮審査に至っては最短だと即日で回答を頂けるようです。
中古マンション購入時など、物件の動きが速いケースでは、事前・本審査時に書類の郵送によるやり取りの時間を省くことで、審査を短期間で完了できるのは、非常に大きなメリットになります。
金利水準は
じぶん銀行のHPには、この変動金利と固定10年の金利が大きく掲載されています。最も販売したいオススメの金利タイプと思われます。
- 変動金利は年0.457%
- 10年固定金利年は年0.61%(当初期間引き下げプランの場合)
かなり低い金利設定となっていますが、実際のところはどうなのでしょうか。2018年4月の変動金利、10年固定金利の金利を調べてみました。
変動金利(新規の場合)
- じぶん銀行 0.457%(諸費用を含む場合も金利は変わらず)
- 住信SBIネット銀行
0.457%(新規借入、諸費用含まない場合)
- ソニー銀行 0.457%(自己資金10%以上)
変動金利のトップ3にはいずれもネット銀行が並んでいます。ネット銀行の金利水準が、いかに低く設定されているのか実感できるランクとなっていますね。
10年固定金利
- じぶん銀行 0.610%(当初期間引下げプラン)
三菱UFJ信託銀行 0.670%
- イオン銀行
0.690%(当初期間引下げプラン)
こちらが10年固定金利のトップ3の金融機関です。
10年固定金利は各金融機関とも力を入れているだけあって、昨年からかなり金利が下がっています。その中でもじぶん銀行の金利は群を抜いて低い設定となっています。じぶん銀行の金利設定をみると「10年固定金利で借りて下さい」と言わんばかりの低さです。
ただし気をつけたい点があります。
当初の固定金利特約期間を重視し金利を引下げる「当初期間引下げプラン」が終了した後の金利は、基準金利が現在と変わらないと仮定すると引き下げ幅は大幅に縮小します。
詳しいシミュレーションがしたい時にはじぶん銀行の住宅ローンシミュレーターが用意されていますので、じぶん銀行のサイトで確認してください。
変動金利型、固定金利選択型の住宅ローンは、その仕組みをよく理解した上で選ぶようにしてください。

「いろいろお得な“0円”」は本当にお得なのか

じぶん銀行の住宅ローンの特徴として、大きく取り上げられているのが「いろいろお得な6つの0円」です。
- がん保障特約(50%)保険料 0円
- 一般団信の保険料 0円
- 保証料 0円
- 収入印紙代 0円
- 一部繰上返済手数料 0円
- 返済口座への資金移動 0円
本当にお得なのか見ていきましょう。
がん保障特約(50%)保険料 0円
一般団信に加えて、「がん」と診断されただけで住宅ローン残高が半分になる「がん保障特約(50%)」が無料でついてきます。
医療系団信では、就業不能状態かつ一定期間経過を保障条件としたものが多いのですが、じぶん銀行のがん保障は就業不能状態であることを保障条件とせず、診断された時点でローンの残高が半額になる点が特徴になっています。
一生涯のうちにがんと診断される確率は男性で62%、女性で46%だそうです。さらにがんで死亡する確率は、男性25%、女性16%(出典:国立がん研究センター)となっています。つまり男性の4割程度がこのローン残高半額に該当する可能性があるわけですね。
ローン残高が0になるわけではなく、50%である点はちょっと物足りない気もしますが、保険料を払わずに付帯する特約なのでやむを得ないところでしょうか。がん100%保障団信は年0.2%の金利上乗せで加入できます。
一般団信の保険料 0円
通常の団体信用生命保険の保険料は、どの銀行でも金利に含まれているため、別途保険料の支払いが発生するケースはありません。
じぶん銀行の団信についてまとめると
- 一般団信、がん50%保障団信は金利上乗せなし
- がん100%保障団信は年0.2%金利上乗せ
- 11疾病保障団信は年0.3%金利上乗せ
- ワイド団信は年0.3%金利上乗せ
となります。
③保証料 0円
保証料は0円ですが、別途事務手数料が借入金額の2.16%(税込み)掛かる点に注意しましょう。
事務手数料は保証料と異なり、繰り上げ返済をしても返戻金は発生しませんので、住宅ローンを利用する人にとっては不利になります。ネット銀行ではこのシステムを取っている場合が大半です。
④収入印紙代 0円
住宅ローンの契約手続きはネットで行います。書面での金消契約でないことから印紙税が掛かりません。
金銭消費貸借契約の印紙税は、例えば1千万円を超え5千万円以下では2万円となります。この分が住宅ローン利用者にとってメリットとなります。
⑤一部繰上返済手数料 0円
多くの金融機関では、一部繰り上げ返済手数料、特にネット上からの返済手数料は無料となっているのが普通です(旧第二地方銀行、信用金庫、信用組合などでは、まだ窓口でのみ繰上げ返済を受け付け、さらに手数料も掛かる金融機関も多くあります)。
ただし全額繰り上げ返済を行う場合で固定金利特約適用中の場合は、32,400円(税込)の手数料がかかる点には注意が必要です。
⑥返済口座への資金移動 0円
住宅ローンの返済用口座はじぶん銀行の借り入れ本人の名義の口座に限られています。毎月の返済のためにいちいち資金を移動させるのは大変な手間がかかりますし、うっかり資金移動を忘れて住宅ローンが延滞してしまうと大変なことになります。
そこで便利なのがこの定額自動入金サービス、手数料無料で、他行口座から、毎月一定額をじぶん銀行口座にお金を移すことが出来ます。一度の登録で、毎月決まった日に資金移動が出来るのは非常に便利です。
じぶん銀行を利用するメリット
ここまで見てきた内容から、じぶん銀行の住宅ローンを利用するメリットとしては
- 住宅ローンの申込から契約までネットで完結できること
- 保険料0円でがん50%保障団信へ加入できるなど団信の保障内容が充実していること
- 10年固定金利は最も低い金利設定となっていること
です。
変動金利や10年固定金利をお考えの場合、検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくは公式サイトをご覧になってみてください。